8月半ばから種蒔きを始め、現在のそば畑の状況ですが、遅いところは新芽から本葉が出てきたところで、早いところは花が咲き始めています。
種の蒔き始めから蒔き終わりまでおおむね1ヶ月程度の開きがあります。なぜこんなに差があるかというと、作付け面積が広いため、収穫作業も何回かに分けないとやりきれないというのが一つ。もう一つは、天候によるリスクを分散したいからです。
以前のブログで春そばの苦労についてアップしましたが、新そば(秋そば)には新そばの苦労があります。
そば栽培の天敵は台風
苦労といえばいつだって天候のことですが、なんと言っても秋は9月〜10月にかけての台風です。進路や規模によって異なりますので一概には言えませんが、発芽してまだ間もない頃に台風の強雨に叩かれると、若い芽は耐えきれずに潰れてしまいます。
また、よく成長して丈が伸びた頃、台風の強風に煽られると蕎麦が倒れてしまいます。倒れた蕎麦は2度と起き上がることなく、収穫時には地面スレスレに倒れた蕎麦の上を収穫機が虚しく通過するだけとなり、収量が大きく減少します。
そば作りは土作り
どの畑も順調に育ってくれて豊作だった、となってくれるのが理想ですが、そんなにうまくいく年はなかなかありません。実際は、ダメなところもあり、いいところもあり、平均したらまあまあの出来だった、となるように時期をずらして種を蒔くわけです。
他にも、肥料のことを含めた土作りなど、前年の結果を踏まえ、あれこれ知恵を絞り少しでもいい結果につながるようにします。しっかり手をかけて天候に恵まれれば、結果は自ずとついてくるものです。手を抜いたら抜いたなりのものになってしまう、と思うと真面目な私はいつだって全力になってしまいます。
結果、今年は予定が押してしまい種蒔き作業が思うようにできませんでした。終盤は追い込んで根を詰めて臨みましたが、無理が祟ったようで体調を崩して店を休むという残念なおまけまで付いてしまいました。その節は、お客様に大変ご迷惑をお掛けして申し訳ございませんでした。休んでいることへの罪悪感や、なかなか回復しないことへの苛立ちなどを抱えておりましたが、多くの方から体を気遣っていただき、また応援していただいたおかげで大変励まされ、気持ちも随分と軽くなりました。本当にありがとうございました。これからもより良いサービスを心がけて邁進して参ります。もちろん、あまり無理のないスケジュールで…
今年もおいしい新そばを提供できるように
あとできることと言えば、豊作を願って神頼みでしょうか。神頼みといえば、古来りより各地で夏祭りが執り行なわれて来たわけですが、本来これは神様にお願いをして、豊作を妨げる台風や害虫などを祓うのが目的です。私も農業を始めてからというもの、祭りの起源について考えるととても共感するものがあります。
しかし、ふと地球規模で観たら台風や雑草や害虫と呼ぶものたちなど、自然現状の全てが必然では?とも思います。それら地球の営みとか生態系をまるで無視して、蕎麦など単一の作物をどっかと作って、やれお祓いだ、豊作祈願だ、などというのは実に人間らしい身勝手なエゴだなと、賢人めいて悟りを開いてしまいました。
しかし、エゴと悟りの間を一周回ってみても、なるべく豊作の方向でお願いします、と思わずにはいられない私はやはりただの凡人です(苦笑)
さて、今年の作柄やいかに!
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