そばを打ち終わり生地の状態

そば打ちに込める私の想い

蕎麦についてよく話題になるものに、打ち方があります。いわゆる、手打ちと機械打ちです。

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趣味としての蕎麦打ちも人気が高く、道具を揃えて打たれて楽しんでらっしゃる方も多くいらっしゃいます。
自分で打った蕎麦を食べる、というのは格別なものがあるように思います。しかし、これがなかなか奥深く思うように打てないのも現実です。

そば打ちは簡単そうで奥深い

そば粉と水を練ったもの

粉に水を加えて練って延ばして切るだけで、何の味付けもしないのに、打つ人によって仕上がりは全く異なります。シンプルが故に奥深いのかも知れません。

そば職人の業界には「木鉢3年、延し3月、切り3日」という言葉があります。しかし、これは少しおかしな気がします。木鉢とは粉に水を加えて捏ねる作業のことを指しますが、ここに3年です。ここに3年はあまりに長すぎるように思うし、切りにしても3日ではとうてい体得できるようには思えません。私は自身の経験から、この言葉の意味するところは、そば職人として一人前になるのに3年3ヶ月と3日かかるのではなく、木鉢の工程が最も大事だからしっかり身につけよ、延しはその次、切りに至ってはさらにその次、ということだと思います。

加水率は天候や気温/湿度で毎日変える

秤で水の量を測っている写真

そして木鉢ですが、それは加水率を見極めることに他なりません。日々の天候や気温、湿度による微妙な違いを感じ取って水を加減しなくてはなりません。多過ぎれば生地は柔らかくなり、切る時に麺は潰れてしまいます。逆に少なければ切れ切れで短く、ボソボソした食感のそばになってしまいます。

そばの善し悪しは8割方木鉢の作業で決まってしまいます。ここでのミスは後の工程の技術がいくら優れていても挽回できないのです。木鉢は、家に例えるなら土台の部分です。土台が不安定な家がどうなるか皆さんもよくお分かりでしょう。

亮月が機械打ちに拘る理由

製麺機

ところで、そばといえば手打ちと機械打ちがあります。手打ちという言葉は、いかにも職人技という感じがしてすごく魅力的です。では、機械打ちは手打ちに対してそんなに劣るものでしょうか?

機械打ちといっても、粉と水を入れてスイッチを押せば全自動で麺が出来上がるわけではありません。

当然、機械打ちにも木鉢の工程があるわけです。年間を通じて比較すると、冬の加水率が最も多い時期には粉に対して45%前後になります。対して夏の一番少ない時には35%前後となります。

これを見極めるのはまさに職人技です。

「美味い!また来る」と言って頂くために

製麺後のそば

練り・延しの工程にも人の手がなければ麺にはなりません。機械打ちと言ってもそれを操るのは人間で、操るには職人技が必要だということです。私には、そうして打ち上がったそばが、手打ちのものに劣るとは思えません。

それから、機械打ちのいいところは、能率が高く労力は少なくて済むことです。そして人間と違って疲労や気分によるバラつきがありませんから、いつも同じように打つことができます。いつも同じ、これこそ私が最も大時に思うことです。

一人でも多くの方に美味しく食べていただきたい、そんな私のこだわりを製麺機にも込めています。

今日も一打入魂です。

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