亮月の大盛りそば

コクとキレを極めたら蕎麦はもっと美味くなる

ご家庭でもお店でも美味しいものには、コクやキレといったものが欠かせません。しかし、このコクやキレといったものは一体なんなのでしょう。なんとなく分かるようで実はよく分からない、そう思う方も少なからずいらっしゃるのではないでしょうか。

相反する「コクとキレ」は本当に両立できるのか?

何か料理を食べた時には「コクがある」とか「キレがいい」と分かる気がしますし、実際にそういう感覚を抱きます。しかし、それを作るとなると、どうしたらいいか分かりません。ご存知の方も多いかと思いますが、味には、甘味、塩味、苦味、酸味、旨味、の5味が基本となります。これらが組み合わさることで、味にコクやキレが生まれます。
まずコクですが、複雑な味、豊かな香り、長く余韻が残る味、といったことを指します。次にキレですが、混じり気のない味、メリハリの効いた味、後味がスッと消えていく味、といったことを指します。
一見、この二つは相反するようで両立などあり得ないように思えます。どちらか一つでも美味しいことは美味しいのですが、より美味しい料理はこの二つが確かに両立しています。

例えば、そばを食べるときです。最もシンプルな味付けは塩です。ここで一番大事なのは、塩の量です。塩気が十分でない場合、それはぼんやりとした本当に残念な味になります。十分に振られた塩味で感じるのは、混じり気のない味、つまりキレのある味です。そしてもうひと工夫でワサビを足します。ワサビの辛味は基本の五味には含まれていませんが、材料が増えることでより味がより複雑化します。そして、ワサビの豊かな香りが味にメリハリを付けます。そして美味しいという余韻が残ります。しかし、塩、あるいはワサビが多すぎたら、後味はスッと消えるどころかいつまでも嫌な味の余韻が残ります。こうなるとキレどころではありません。
さて塩とワサビの合わせ技で確かに美味しく食べられますが、この味付けでは物足りなさを否めません。シンプルな味付けだけにキレは十分ですが、コクにはまだ遠い、そんな感覚です。

そこで汁の登場です。
汁は、醤油、砂糖、みりん、出汁から作られます。これら一つ一つを細かく見ていくと、たくさんの成分でできていることに気づきます。例えば塩味の醤油は、塩、アミノ酸、アルコールなど、砂糖はそのほとんどがしょ糖でできていますが、みりんにはブドウ糖、オリゴ糖など複数の甘味成分が含まれます。そして旨味の出汁には複数のアミノ酸や豊かな香りが含まれます。こうして見ると、汁がいかに複雑な作りとなっているかが分かります。だからこそ味に深みが出るわけです。
よく作り込まれた汁は、味の深みがコクを生みます。また、バランスが取れた味は、うまいという余韻は続きますが、嫌な味の余韻は残らないので、すっきりとしたキレも生まれるというわけです。

「もっと美味い蕎麦」を目指して、今日も試行錯誤

こうして見るとコクもキレも出すのが簡単に思えてきますが、実際作るとなるとそうはいきません。たくさんの材料の中から美味しい組み合わせを見つけるのは雲を掴むような話ですし、さらにそれらのバランスを取るとなるとやはり至難の業と言えます。
そうして考えているうちに、また分かるような、分からないような、そんな状態に逆戻りしてしまうのです。

それでも、こうして日々の経験を積み重ね、いくらかではありますが言葉に置き換えて理解できたことを嬉しく思います。改めて、これからもより美味しいもの作っていこう、と思いました。
今日もありがとうございます。

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