8月は亮月も繁忙期となり、おかげさまで忙しい毎日です。お盆を過ぎ、夏休みが終わる頃には来客数も少し落ち着いてきます。年々歳を重ねるせいか疲れも溜まりがちで、一息つきたいところですが、この時期は一年で一番大事な蕎麦栽培がありますから、休んでいる暇はありません。
信じる蕎麦を信じるやり方で、今年も前へ

10年ほど前は、8月になると作付けに向けた準備を始めていましたが、近年は高温の影響で作業を半月から1ヶ月ほど遅らせている状況です。気温だけに目を向ければ、もっと遅くしたいのですが、作柄には日照時間も大きな影響があるので、暑さだけで遅らせるわけにはいきません。そんなわけで、人間ばかりでなく、蕎麦にも頑張って暑さに耐えてもらうしかありません。
もちろん、播種時期の見極めや土づくりなど、できる限りのサポートはしています。これまでの経験や結果を振り返り、改めるところは改め、新しい情報やアイデアがあればどんどん試す、毎年より良いものができるように全力で臨んでいます。
毎年、私は蕎麦しか作りませんが、作り方を振り返ると、一度も前年と同じ作り方をしたことがありません。種を蒔く時期の調整や土の耕し方、肥料の種類や量など、前年の結果を元に計画を立てます。以前には、何をやってもうまくいかず、万策尽きた、と思えるような年が何年も続いたことがありましたが、不思議と翌年までにはまた新しいアイディアが浮かんできます。試行錯誤のおかげで、ここ数年はまあまあ安定的に収穫できるようになってきました。
しかし、どんなに手を尽くしても、天候に恵まれなければいいものはできません。ですから、近年の異常気象は本当に頭の痛い問題です。種を蒔き終えたら、あとは豊作に恵まれるよう願うことしかできません。

現在、種蒔きに向けた作業を始めています。まずは畑一面にたっぷり茂った草を刈り終えたところです。このあと、深耕、施肥、耕起、播種と続いてようやくひと段落です。まだまだ道のりは長いのですが、今年も早々にトラクターのエアコンが故障してしまいました。実は、ここ2、3年ずっとエアコンの調子が悪かったのですが、修理費用もかさむため応急処置をしながら騙し騙し使ってきたのですが、今年はとうとう決定打が出てしまいました。
作業中の車内は、40℃を超える暑さで、何度も作業を中断して涼まなければなりません。また、朝夕の限られた時間しか作業できず、まったく捗らなくて困っています。こんな過酷な環境で作業をしていると、これはなんの因果か、と真面目に考えこんでしまいます。修理の依頼はしているのですが、整備の方も忙しいそうで、いまのところ直る目処が立っていません。とは言え、作業を中断するわけにはいきませんから、いつの日か直るのを夢見ながら耐える毎日です。
まったく機械というやつは肝心な時に限って故障します。そもそも安い中古しか買えないから、と言えばそれまでですが、故障がなかった年はないくらい、何かしら故障しています。よく考えてみると、故障が当たり前なら故障して通常か、などと強がってみたりしています。
有機・無農薬という選択に、今年も誇りを込めて

ところで、私が畑で作業を始めると鳥たちが集まってきます。草刈りをしていれば、草地にたくさんいるバッタやハエ、蚊、蛾などの虫が一斉に飛び回ります。これを捕まえにたくさん燕がやってきます。それまで燕など全く見当たらなかったのに、どこで見てるのかというくらい集まります。またカラスは常連で、作業を始めるとどこからともなくやってきては、野ネズミや土の中にいる生き物を求めてトラクターの後をついてきます。カラスは本当に賢い鳥だと感心します。
鳥はあまり詳しくないのでよく分かりませんが、他にも名も知らぬ鳥をいろいろ見かけます。また、蕎麦が育つとスズメの群れがたくさん集まります。多分、虫と一緒に蕎麦の実も食べていると思います。見た目は可愛いスズメですが、なかなかのワルです。
こんな様を見ていると、なんだかほのぼのした気持ちになります。こんなにたくさんの生き物が集まるのだから、うちの蕎麦が人の体に悪いわけがない、有機・無農薬でやっててよかったとしみじみ思います。
今年も蕎麦作りが始まりました。今年はどんな出来になるのか心配半分、期待半分ですが楽しみです。これからも、体に優しく美味しい蕎麦を作り続けます。今日もありがとうございます。
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