そばは成長が早く、種蒔きから約2ヶ月で収穫できます。よって、そばは年に2回栽培することも可能です。
春そばは春に種を蒔くのでそう呼びます。対して秋そばは、夏に種を蒔くのに夏そばとは呼びません。おかしな話です(笑)
春そば栽培は畑の荒地対策に
春そばですが、秋そばより一足早く夏に「新そば」が取れるということで、話題性があります。また、私のようにそばの栽培しかしない者にとって春そばは荒地対策にもなります。年一回の栽培では、休耕中に畑の草は伸び、伸びた草は種類によっては木にもなります。畑は半年も放っておけばすっかり荒れ果ててしまいます。また、前年の秋そばが不作であればこれを補充をする意味でも、春そばの栽培はありがたいものでもあります。
しかし、その栽培には問題も多く、収穫できないことも少なくありません。
一夜にして「霜」で全滅
まず種蒔き時期です。そばは約2ヶ月で収穫できますが、梅雨の時期の収穫は避けたいものです。それから計算すると、3月の下旬には種を蒔きたいところです。しかし、この時期は遅霜が降りることがあります。そばは霜にめっぽう弱く、一度でも霜に当たると枯れてしまいます。まだ寒い2月から3月にかけて、手間ひまかけて土づくりをしたのに、一夜にして霜で全滅、なんてことが実際にありました。
これはさすがに泣きたくなります。
除草剤は一切使わず雑草との戦い
遅霜を避けるには、種蒔きを遅くすることになりますが、今度は避けたい梅雨がやって来ます。当たり前ですが、梅雨に入ると雨が続き収穫作業が思うようにできません。また、ひと雨ごとにどんどん雑草が伸びます。梅雨前にはちゃんとしたそば畑だったのが、梅雨入りした途端に草むらとなってしまいます。そして、茂った雑草は収穫時にコンバインを詰まらせ、故障を招きます。さらには、たくさんの草の実がそばと一緒に採れてしまいます。これらを選別して取り分けるのは余計な手間がかかります。あまりに雑草や草の実が多いと、最悪の場合、収穫放棄となってしまいます。
困難の先に得られる「自然の豊かさ」
出来ることを目一杯やって準備したにも関わらず、望む結果が得られないときの喪失感と言ったらありません。でも目一杯やらないと、望む結果を手にする可能性すらなくなります。
いくつもの困難を乗り越え、収穫して製粉、製麺となります。私はそばの種は蒔けますが、こんなに美味しいそばの実を作ることはできません。自然の力は、時に厳しくもありますが、ものすごく豊かです。
そうして出来上がったそばを、お客様に「美味しかった」と言って喜んでいただけることが、私の励みです。
難しいけど、今日も明日もまた頑張ります。
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