そば好きの皆さん、首を長くしてお待ち下さい。
おいしい「新そば」を提供できるよう、今年も準備に入ります。
新そばは北海道産のものが最も早く、9月の半ば頃から市場に出回りますが温暖な静岡県の場合は収穫も遅く、収穫は10月中旬から11月中旬になります。その後、乾燥・選別等の工程を経て、お店で「新そば」を使うようになるのは12月の声を聞いてからになります。
店とそば栽培「両立」の難しさ
さて、亮月は毎年8月半ば過ぎから9月中旬にかけてが種蒔きシーズンとなります。
当店は蕎麦専用畑ですから、春以降の休耕期には雑草が伸びるので、1、2ヶ月に一回トラクターで土を耕しながら伸びた草を土にすき込んで畑が荒れるのを防ぎます。
店の営業の合間を縫ってこれらの作業をするわけですが、お陰様で朝は仕込み、夕は買い出しに、と忙しい毎日で中々思うようにできません。ようやく時間が取れそうかと思うと、今度は雨が降り、またしばらく作業できなくなります。
そうこうしていますと、雑草たちが元気に予定外に伸びてしまい、作業工程が一つ二つと増えていくという悪循環に頭を抱えています。
そば栽培の苦悩
雑草ですが、多少なら問題ないのですが、あまりに伸び過ぎた草は刈り取らないとトラクターで耕し土にすき込むことができなくなります。こうなると刈り払い機の出番です。刈り払い機とは、肩から下げて左右に振り草を刈る機械です。人力に勝るもの無し、とでも言いましょうか、スピードは機械の比ではありませんが、時には木と見まごうほどに太く大きくなった雑草も刈り払い機なら処理できます。
しかし草を刈るということは、虫に刺される、暑い、重い、飛石が痛いなどなど、苦痛との戦いでもあります。途中、何度も嫌気がさしますがとにかく気合いでひたすら刈ります。
残念ながら、今年もそんな畑がありました。
通常ですと、草を刈った畑も刈らずに済んだ畑も、一度トラクターで耕して草を土にすき込みます。
「プラウ耕」ひと手間で「おいしい」を
しかし今年は、もう一手間かけて、畑の土の天地返しをやります。表面の土と深部の土を入れ替えるわけです。表面の土とはいわゆる作土と呼ばれる土で、要は作物の根が張る深さ辺りの土をそう呼びます。なぜ入れ替えるかと言いますと、作土は何度も使っていると疲れて作物の収量が減ったり、病気が発生したりと問題が出てきますので、フレッシュな深部の土と入れ替わって休ませるというわけです。また、年々雑草も増えていきますから、深部に埋め込んで雑草を減らす狙いもあります。この天地返しにはトラクターにプラウという作業機を取り付けて行い、この作業のことをプラウ耕と言います。
プラウ耕が終わると今度は、畑全体に有機肥料を蒔きます。これにはトラクターにブロードキャスターという作業機を取り付けて行います。
有機肥料を蒔き終わったら、今度は有機肥料を土に混ぜ込みます。これにはトラクターにロータリーという作業機を付けて行います。
そしていよいよ散粒機(これは人力)を使って種を蒔き、仕上げにロータリーでもう一度極浅で土をかき混ぜ、種に覆土をします。
こうしてようやく種蒔き作業が終了となります。
毎年、より美味しくなるように、よりたくさん採れるように、と出来ることは目一杯やってます。皆さんに少しでも喜んでいただけるようなものが作れるように、とあれこれ思案を巡らせながらやっています。
無事に収穫できることを願いつつ、今年の作柄は如何にと気を揉む毎日です。
(LINE友だち登録のお願い)
亮月では蕎麦に関する知識や私の想いを発信しています。また、LINEの友だち登録をしていただくと、営業時間変更のお知らせや最新情報の確認ができますので、ぜひ登録していただければと思います。